中古マンションの購入では、売主から買主への所有権移転登記を行い、住宅ローンを利用する場合は抵当権設定登記も同日に申請するのが一般的です。司法書士は、売主・買主・仲介会社・金融機関と書類と決済予定を確認し、代金決済と登記申請をつなぎます。この記事では、2026年8月時点の法務局・国税庁資料に沿って、司法書士を決める時期、必要書類、登録免許税を整理します。
中古マンションの名義変更とは、所有権移転登記です
中古マンションの購入で一般に「名義変更」と呼ばれる手続きは、売主から買主へ所有権を移す登記です。専有部分だけでなく敷地権も確認し、住宅ローンを利用する場合は抵当権設定登記、売主のローンが残っている場合は抵当権抹消登記との順序も調整します。
購入手続きの全体像を確認したい方へ。中古マンション購入時の司法書士・所有権移転登記・決済立会いは、業務案内でまとめています。
中古マンション購入で司法書士は何をする?
不動産売買の所有権移転登記は、原則として売主と買主が共同で申請します。実務では司法書士が双方から委任を受け、本人確認、権利証等の確認、登記原因証明情報や委任状の準備、決済当日の申請を行います。
買主が司法書士を選べる取引もありますが、住宅ローンを利用する場合は金融機関の指定・承認や、売主側の抵当権抹消を担当する司法書士との調整が必要になることがあります。売買契約後、金融機関と仲介会社へ早めに確認すると進めやすくなります。
中古マンション購入時に行う主な登記
- 所有権移転登記: 売主から買主へ、専有部分と敷地権の名義を移す
- 抵当権設定登記: 住宅ローンを利用する場合に、金融機関の担保権を登記する
- 抵当権抹消登記: 売主の住宅ローンが残っている場合に、既存の抵当権を抹消する
- 住所・氏名変更登記: 売主の現在の住所・氏名と登記記録が異なる場合に、前提として変更する
買主側で確認する主な書類
- 住民票などの住所証明情報
- 本人確認書類
- 司法書士へ申請を依頼するための委任状
- 登録免許税の軽減を受ける場合の住宅用家屋証明書
- 住宅ローンを利用する場合の金銭消費貸借・抵当権設定関係書類
住宅用家屋証明書は登記申請時に必要です。要件に該当しても、登記後に提出して軽減税率へ変更することはできません。床面積、取得後の入居、建築時期・耐震基準などを確認し、物件所在地の市区町村で証明書を取得します。
売主側で確認する主な書類
- 登記識別情報または登記済証(権利証)
- 作成後3か月以内の印鑑証明書
- 本人確認書類
- 司法書士へ申請を依頼するための委任状
- 固定資産評価額が分かる資料
- 登記上の住所・氏名が現在と異なる場合、そのつながりを示す住民票や戸籍の附票等
登記原因証明情報は売買契約の内容に基づいて作成し、売主・買主が内容を確認します。取引や物件の状況により追加書類が必要です。
所有権移転登記の登録免許税
登録免許税の課税標準は、原則として売買価格ではなく固定資産課税台帳の価格です。敷地権付きの中古マンションでは、土地部分と建物部分を分けて税率を確認します。
- 土地の売買による所有権移転: 1.5%(2029年3月31日までの軽減税率)
- 建物の売買による所有権移転: 原則2.0%
- 一定の住宅用家屋の建物部分: 0.3%(2027年3月31日までに取得し、取得後1年以内に登記するなどの要件あり)
- 抵当権設定: 原則として債権金額の0.4%。一定の住宅用家屋は0.1%の軽減対象となる場合があります
住宅の種類によってさらに軽減される場合があり、住宅用家屋証明書などの添付が必要です。物件の固定資産評価額、床面積、建築時期、居住予定、ローン内容を確認して申請時の税額を確定します。
決済までの基本的な流れ
- 売買契約、決済予定日、住宅ローン利用の有無を共有する
- 登記情報、売主・買主の本人確認資料、権利証等を確認する
- 必要な前提登記、住宅用家屋証明書、登録免許税を確認する
- 委任状・登記原因証明情報などの署名押印を行う
- 決済日に代金・融資実行を確認し、法務局へ登記を申請する
登記識別情報の紛失、売主の住所変更、相続未登記、共有者の不在などがあると、追加手続が必要になります。気づいた時点で仲介会社・金融機関・司法書士へ共有してください。
個別確認について。本記事は一般的な制度説明です。物件、契約、金融機関、取得日、入居要件などにより、必要書類・登録免許税・軽減措置の適用は変わります。実際の申請では、最新の公的資料、登記記録、固定資産評価額、住宅用家屋証明書の取得可否を確認します。
決済予定と物件資料から、必要な登記を確認します
売主・買主・仲介会社・金融機関と予定を共有して進めます。
